それは発達障害ではなくて低コレステロール?

栄養素とその働き

③ 低コレステロール

コレステロールというと、「低ければ低いほど健康によい」と考えている人が多いと思います。

「卵は1日1個にしている」
「油はコレステロールゼロのものを使っている」
「コレステロールは血管を詰まらせてしまう恐ろしいもの」

これらはすべて間違いです。と言ったら驚かれるでしょうか?

コレステロールは細胞のひとつひとつを包む「細胞膜」を作っています。
コレステロールが少ないと細胞は壊れやすくなります。

また、コレステロールは性ホルモンやステロイドホルモンの材料になります。

なによりも体全体のコレステロール量の40%が脳に存在します。

コレステロール値が低いと、体の機能が低下し、免疫力が下がり、性的な成熟が遅れ、ストレスに弱くなり、脳がしっかりと働くことができなくなるのです。

アメリカの研究で、コレステロール値が低い子どもは落ち着きが無く、衝動的に行動する、ということが分かっています。

私の知っている高校生でも、授業中落ち着きがなく、よく注意を受けていた男子は、コレステロール値が110しかありませんでした。
また、ストレスがかかるとリストカットをする女の子がいましたが、彼女も100くらいしかありませんでした。

コレステロール値を薬を使って下げると、うつやがんになる確率が高くなるという大阪での調査結果もあります。

コレステロールはたんぱく質や脂質を材料にして、肝臓で合成されるのが8割、食物の影響は2割しかないそうです。

どんなに卵を控えても、コレステロールゼロの食品を選んで食べても、肝臓で合成される量は変わらないので、数値はほとんど変わりません。

成長期の子どもは、体が大きくならなくてはいけないので、そちらにたんぱく質が使われて、どうしてもコレステロール値は低くなりがちです。

そんな時に
「卵は体に悪い」
「油はよくない」
などと大人の感覚で制限してしまうと、先に書いたようにいろいろな問題が出てきてしまいます。

たんぱく質や脂質をしっかり摂って、できたら、コレステロール値を160以上にもっていってほしいと思います。(遺伝的なものもあるので、どうしても上がらない人もいます)

子どもさんが落ち着きがなくて、勉強についていけない時には、サプリメントでEPAやDHA、レシチンなどを補うことで改善することができます。

執筆者:加賀瀬みどり

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